文型・時制・態
英語の文の作り方にはルールがあります。
英単語をてきとうに並べても意味は伝わりません。
単語の並べ方や単語の形の変え方など、正しい文を作る方法を「文法」といいます。
「法」やシステムというものは階層的です。
まず、大きな基本の”決まり”があって、その下にまた細かい”決まり”があり、それがどんどん場合分けされていきます。
憲法
↓
法律
↓
規則・条例 のようなかんじです。
ルールやシステムにはとても強い力があります。
ルールやシステムを知っていれば、別個の事象にとらわれず、いろいろなことを効率的に操ることができます。
三権分立は小学校でも習いますね。
品詞のページでも書きましたが、英文全てを一緒くたにするのではなく、それぞれの文の構造の違いを意識しましょう。
英語も日本語と同じ言語なので、慣れれば文法を意識しなくても理解できるようになりますが、複雑・難解な文の読解・作成には文法の知識が必要です。
では、英語の文法がどのようになっているのかというと、
文型
↓
時制
↓
態
のようなかんじです。
文型は、文の基本の構造で、全部で5パターンしかありません。
文のはじめに置かれる名詞や代名詞が「~は(主語)」という意味をもち、その次に置かれる動詞が「…だ;…する」を意味します。
主語が「何(補語)」なのか、主語が「何を(目的語)」するのかがあとに続きます。
これだけです。
文型を知っていれば、単語の意味が分からなくても、「何が何なのか」・「だれが何をするのか」が分かります。
英作文のときも、まずはこの基本構造を作ってしまい、修飾語句はあとからくっつけていきます。
まるで彫刻のように、はじめは大きな部分を形作り、徐々に細かい部分を作っていきます。
慣れれば文を前後せず、文頭から瞬時に作文・読解できる作業ですが、簡単な文は試験では出題されません。
【文型】 S:主語 V:動詞 O:目的語 C:補語
●第1文型…SV
●第2文型…SVC
●第3文型…SVO
●第4文型…SVOO 目的語を2つとり、「~に」「…を」の意味になる。
●第5文型…SVOC 「~を」「…と」などの意味に。動詞はcall「呼ぶ」やname「名付ける」など。
語順に例外がある文や、文の中にさらに文を含む(複文)構造があるなどむずかしいものもありますが、文型についての具体的な説明はここでは触れません。
まずは基本的な語順を徹底的に定着させます。
中3TOPクラスでもあまり意識できていないのが「時制」です。
「時制」とは文の示す時間のことで、高1・2であれば、12時制全てを操れなくてはいけません。
文型を守ったうえで、動詞の変化や助動詞によって時制を変えます。時制のミスは大罪です。単なるスペルミス、「おしい」などと思っていると、ずっと上達しません。
【時制】
■現在形「~する、(習慣として)~している;~だ」
・・・主語がI・you以外の単数なら一般動詞にはsをつけ、be動詞はisに
■現在進行形「(今)~している」 ※未来をあらわすときもある
・・・beの現在形 + ing形(現在分詞)
■現在完了形「(現在までずっと)~している、してきた【継続】、~したことがある【経験】、~してしまった、(ちょうど)~したところだ【完了・結果】」
・・・have / has + 過去分詞
■現在完了進行形「(今までずっと)~している」 ※動作の継続など
・・・have / has been + ing形(現在分詞)
■過去形「~した;~だった」
・・・動詞を過去形にする。be動詞は主語により活用
■過去進行形「~していた」 ※過去未来をあらわすことも
・・・beの過去形 + ing形(現在分詞)
■過去完了形「(過去のある時点までずっと)~していた、してきた【継続】、~したことがあった【経験】、~してしまっていた、(ちょうど)~したところだった【完了・結果】」
・・・had + 過去分詞
■過去完了進行形「(過去のある時点までずっと)~していた」 ※動作の継続など
・・・had been + ing形(現在分詞)
■未来形「~する(予定だ・つもりだ・だろう)【未来・意志・推測】」
・・・will + 動詞の原形
[beの現在形 + going to + 動詞の原形]でも未来をあらわせるが、willと比べ、予め予定している場合に使う。口語ではwillの代わりになることも
■未来進行形「(将来)~しているだろう」 ※口語では未来形の代わりになることも
・・・will be + ing形(現在分詞)
■未来完了形「(未来のある時点までずっと)~しているだろう【継続】、~を経験しているだろう【経験】、~してしまっているだろう【完了・結果】」
・・・will have + 過去分詞
■未来完了進行形「(未来のある時点までずっと)~しているだろう」 ※動作の継続など
・・・will have been + ing形(現在分詞)
「態」には能動と受動があります。
能動は、現在形であれば「~する」。受動は「~される」です。
【尊敬】や【可能】の「される」ではありません。
受動態(受け身)の文であれば、動詞の部分が[be動詞 + 過去分詞]になります。be動詞は主語・時制に合せて活用します。
文法の基本1つ1つは簡単です。
しかし、文はそれらの組み合わせや場合分けで成り立っており、あらゆる文を読み書きできなければなりません。
他動詞(目的語をとる動詞)しか受動態の文を作れませんが、単純に「文型」×「時制」×「態」でどれだけの種類の文が存在できるかというと、
他動詞の文型3×時制12×態2+自動詞の文型2×時制12=96種類
肯定文以外にも、否定文や疑問文が加わるだけでも96×3=288種類
この288種類を基本に、複文があったり、様々な単語を含んだり、命令文があったり・・・英文の可能性は無限にあります。
英語の苦手な人、大学受験の勉強をしている人にとっては気の遠くなるような話にきこえるかもしれません。
ですが、もう一度意識してみてください。
無限に存在する英文も、基本はたった3つのルール「文型」「時制」「態」でできているのです。
この3つのルールさえしっかり身についていれば、組み合わせが出題されようが場合分けがあろうが、それほどむずかしい問題ではないと思いませんか?
文法の基本をしっかり身につけ、文法とともに単語に慣れていく。
あせらず、少しずつ勉強していきましょう。
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