令和7年福島県立高校入試問題の傾向
国語
例年通りの大問6題構成。
大問1では、漢字の読み書きとともに「慣用句」に関する問題が出題されたが、「頭を抱える」「肩の荷が下りる」など中学生でも聞き慣れたものが並んだ。こうした語句の知識もしっかりと身につけて、確実に得点に結び付けたい。
大問2の韻文では予想通り「俳句」が出題された。「星」を詠み込んだ俳句が数首並んだが、俳句に書かれている解答の根拠を押さえられれば、充分に対応できる問題であったと言える。
大問3は古典。漢文の書き下し文からの出題で、返り点に関しても出題。問題内にある「授業で話し合ったときの会話」も参考にすることで、内容の理解はできたと思われる。25字の記述問題については、古文中にある該当箇所を現代語訳して、指定語句の「行動」を盛り込み上手くまとめることが出来たかどうかがポイントとなるが、難易度が高いとは言えない。
大問4は、読みやすさが感じられるもののかなり長めの小説から出題。ここ数年の入試は小説が長文になりやすいという傾向があり、今年度もそれが顕著に表れた形。せんべい店を営む一家の優しい人間ドラマが描かれた心温まる作品で、受験生も話に入りやすかったと思われる。そのうえ、問題にもあった通り文章の語り手が主人公の視点になる部分もあるので主人公の心情把握がしやすく、25字・50字の記述問題は与しやすかった印象。また記号選択問題についても、登場人物の置かれた状況をしっかり把握できれば、迷わずに解答できたはず。
大問5は、「生物の共生」というユニークな視点から「人とのつながり」への考えを述べる論説文で、昨年度のものに比べれば内容理解は容易だったと思われる。品詞識別(副詞)の文法問題も出題されたが、難易度は決して高くない。30字・50字の記述問題も本文の該当箇所の書き写しで事足りる新教研テストのそれと比較すれば難しいとも言えるが、ここ数年では易しいと言っても良いレベル。長文読解を苦手とする受験生は多いが、今年度に関して言えば、難関の上位校を目指す生徒は特に小説・論説文でも確実に点数を稼ぎたいところ。
大問6の作文は、創作劇の上演前アナウンスの2つの原稿を比較し、どちらを採用するのがよいかについて自分の考えを具体的に書くといったもの。日常生活においても実際にあり得そうなシチュエーションだが、普段から考える習慣をつけることも効率よく国語の成績をアップする勉強の一つであろう。
昨年度の国語は過去10年で最低の平均点(24.6点)となったが、その反動なのか、今年度はかなり易しく平均点が高くなると断言できる。計5問という記述問題の多さは例年通りだったが、難易度は昨年度と比較すると圧倒的に低く、記号選択問題も同様。小説の文字数は多かったが論説文の文字数は控え目で、そのあたりも高得点獲得へのアシストになると考えられる。平成30年度入試以来の平均30点超えもあり得るだろうと予想する。おそらく多くの受験生が手ごたえを感じているだろうと思うが、それは数多くの問題に触れて『記述対応力』を磨き『思考と表現』の訓練をした賜物である。常日頃から学習を積み重ねることで、高得点をとるための『速く正確な読解力』を磨いていきたい。例年通りの大問6題構成。大問1では「書写」に関する問題が出題されたが、筆順や画数などの知識もしっかり身につけて確実に得点に結び付けたい。
数学
例年通り、大問7問の構成。
大問1は計算及び多角形の外角についての問題。ここは確実に得点したい。
大問2は小問集合でここも確実に得点したい基本問題。作図はなく、箱ひげ図の読み取り等が出題された。
大問3は確率及び規則性の問題。文字を使った説明が2022年から4年連続で出題されている。
大問4は連立方程式の文章問題。今年度は教科書の例題レベルの平易な問題であった。
大問5は図形の証明問題。証明の一部が穴埋めという今までにない形式であったが、全体として難易度は高くなかった。
大問6は関数の問題。2乗に比例する関数が題材となった。面積や長さを考えるので、図形的な考え方も必要になる。難易度は昨年より高い。
大問7は空間図形の問題。三角柱が題材となった。三角形の3辺の長さから高さを求める必要のある問題が出題された。大問6と同様難易度は昨年より高い。
全体として昨年度より難易度はやや高いと思われる。
いずれにしても、基本的な問題は確実に得点することが大切。難易度の高い問題は、数多く問題をこなし、解き方のパターンを覚えていきたい。
英語
大問は例年と同様、放送問題を含む5題。難易度はどの大問においても昨年度より易しかった。また、配点が一部変更となり、より思考力(英作文)に重きを置いたものになっていた。
[大問1]・・・放送問題
例年通りの問題形式であり、語句や文法の基礎知識がバランスよく問われた。語句を書く問題では、すべて中学1年生で学習した単語であった。頻出の単語であるため、正解できた生徒も多いだろう。特に難しい問題はなく、全問正解も可能だった。
[大問2]・・・空欄補充(単語・文)問題、整序問題、対話補充問題
助動詞など、文法に関する基本的な問題が並んだ。整序問題では現在分詞の後置修飾が出題された。基本的な単語の意味や対話の流れ、文法の理解が問われた。全問正解も可能だった。
[大問3]・・・英作文
例年は、対話とイラストの形式であったが、今年は対話の流れと表に合った内容を英作する問題形式となり、一部が変更となった。(1)は疑問詞と不定詞を利用する基本的な問題だった。(2)は表の内容を理解し、接続詞や最上級を使用し、8語以上で英文を作れたかどうかがポイントとなる。基本レベルの単語と文法を身につければ十分対応できる。
[大問4・5]・・・長文読解問題
例年通り大問4は対話と資料(表)、大問5はスピーチの原稿の文章だった。
大問4では去年と同じく、条件付きの自由英作文が出題された。「勉強するときにスマートフォンを使用すべき」ということに賛成か否かを選び、その理由を答える問題だった。指定の語数は「8語以上」と昨年度同様。このような問いに対して、日頃から自分の考えを英語で表現する練習をしておきたい。
大問5では応答文に対応する疑問文になるように空欄を8語以上の英語で補充する問題が出題された。基本的な文法の知識があれば対応できる。
大問4・5ともに、本文そのものの難易度はそれほど高くなく、どの設問も答えの部分を本文中から探す解き方をすれば問題なく解けた。
理科
例年通り生物、地学、化学、物理から2問ずつの8問構成。
大問1は細胞分裂について。細胞分裂途中の染色体の数について出題された。
大問2は消化・吸収について。だ液によるデンプンの分解をテーマに、物質の粒子の大きさや対照実験について問われた。
大問3は火山と岩石について。火山岩や堆積岩のでき方や、マグマの性質について問われた。
大問4は前線や風について。停滞前線のでき方の他、台風のまわりの風向について出題された。
大問5は気体の性質について。集めた気体を区別する方法について問われた。
大問6は水の電気分解と、水素・酸素の反応について。混合気体中の酸素の体積を求める計算問題が出題された。
大問7はばねの性質について。「力のつり合い」や、「作用・反作用の法則」の定義を理解していれば迷わずに正解を選べる。
大問8は陰極線、放射線について。放射線の透過性ついては知識が必要だが、他は基礎レベルが問われた。
全体的に計算問題は少なく、記述問題もかなり易しい。記号選択の問題も迷う要素が少なく、平均点は高いと予想される。それだけに少しのミスでも他の受験生に差をつけられてしまうだろう。難しい問題を解くよりも、基本問題を百発百中で正解できるだけの知識を身に付けることが重要である。
社会
地理、歴史、公民の3分野から大問2題ずつの出題であった。設問数に大きな変化はない。論述式の問題は、難易度の異なる6問が出題された。
全体的に、基礎知識を問う問題、地図や資料・グラフを正確に読み取って判断する問題、与えられた語句を用いて知識を正確に表現する力を問う問題などがバランスよく出題された。
地理では、指定された国・共同体の特徴をもとにその共同体の資料を選択したり、地図上の地点の標高を判断する力や、中部地方の特色についての知識が必要であった。
歴史では、時代ごとの基礎知識を問う問題だけでなく、一歩踏み込んだ内容の理解度、定着度を問う問題も出題された。
公民では、政治、経済、人権などについて、基本的な事項を正確に理解しているかが問われた。
日頃からの基礎学習に加え、資料を用いた問題を数多く解くこと、論述式の問題に繰り返し取り組むこと、その積み重ねによって自信を深め、柔軟な発想を培うことを心掛けて欲しい。
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