H27 福島県立高校入試問題の出題傾向
国語
例年通り大問6題構成。大問2の韻文では予想通り、短歌が出題された。大問3の古文は見慣れない俳諧論書「三冊子」からの出題で、受験生は内容の理解に苦しんだと思われる。大問4の小説はやや長めの文章で、50字・60字の記述問題が出題されたため、時間配分に苦慮したであろう。大問5の論説文でも40字・65字の記述問題が出題され、「速く正確な読解力」が試された。数多く出題される記述問題に対応するには、日頃から記述問題に触れておき「記述対応力」を磨く必要がある。間違えた際には「なぜ本文のその箇所が解答に結びつくのか」を徹底的に考えることが次に繋がる。やはり、日頃の学習の積み重ねが結果に直結することを肝に銘じておくべきだろう。
数学
例年通り、大問7問の構成。設問1、設問2は小問集合で確実に得点したい基本問題。設問3は確率、資料の散らばりと代表値の問題。例年と問題形式が変わったので、戸惑った受験生もいたのではないか。資料の散らばりと代表値の問題では、理由を説明する問題の出題があった。設問4は、2年生で学習する連立方程式の文章問題。昨年の2次方程式から変更。設問5は例年通り、図形の証明問題。円の性質を利用する問題である。設問6は関数、設問7は空間図形の問題。1~3年生の内容の融合問題で、難易度は高めである。 いずれにしても、基本的な問題は確実に得点することが大切。難易度の高い問題は、数多く問題をこなし、説き方のパターンを覚えていきたい。
理科
例年通り、生物、物理、化学、地学の全分野から出題されています。大問1は小問の集まりで重要語句を問われる問題でした。大問2は刺激と反応で、細かいところまで問われていました。大問3は遺伝の規則性で、しっかり演習していれば解ける問題でした。大問4は大気の動きと日本の天気についてでした。大問5は惑星についてで、表をしっかり読み取れれば、解ける問題でした。大問6は電池についてで、仕組みをしっかり理解していれば解ける問題でした。大問7はアンモニアの発生で、記述問題がポイントになったと思います。大問8は磁界の問題で、基本的な問題でした。大問9は浮力の問題で、体積と浮力の関係をしっかり理解していれば解ける問題でした。以上、全体的に易しかったように思います。しかし、すべての分野を隅々までしっかり学習しておく必要があります。
社会
大問1は世界地理。大問2は日本地理。大問3、4は歴史。大問5、6は公民と例年通りの大問数。
大問1では東京を通る経線、環太平洋造山帯に含まれる山脈、熱帯の2つの気候の特徴、米の生産量と輸出量、サウジアラビアの特色、オーストラリアの輸出の変化などについて出題された。
大問2では九州地方についての出題で、都道府県の位置、各県の農業の特色、大陸と九州の歴史的交流、八幡製鉄所の建設の理由、各県の産業などについての出題であった。
大問3は福島県にゆかりのある人物を用いての近・現代の歴史の問題、大問4は飛鳥時代から江戸時代までの流れを年表をもとに、各時代の特色が問われた。
大問5は経済分野から「市場価格の変化」「金融と金融機関の役割」「景気変動と生産活動」についての出題、大問6は戦後の民主政治とその時代背景について、日本国憲法から最近の裁判員制度までが問われた。
難易度はそれほど高くはないが、いずれも基本的事項を幅広く満遍なく反復して覚える必要がある。また、正解を漢字で答える習慣を身に付けておくことが大切である。また、記述の問題も毎年5~6題出題されるので、資料を正確に読み取ったり、起こった出来事の背景などをきちんとまとめて書けるように、問題演習などをたくさんこなしておく必要がある。
英語
例年と同様大問は放送問題を含め5題。
大問2は問題形式に変更あり。昨年は語句整序問題が2題であったが、今年度は語句整序問題が1題減り、対話補充問題が新たに出題された。戸惑った受験生が多かったかもしれないが、易しい対話であったので解答は難しくなかったと思う。
全体的に難易度は例年並みであり、難問・奇問はなく基本的な問題が出題されているので、基本事項の正確な理解に努めることが高得点獲得のカギである。